数年前にSCERTSモデルという療育法を知り、それ以来自分がABAセラピーを行うに当たって常に療育方針の軸として利用しているので、ここで簡単に紹介したいと思う。
SCERTSモデル(Social Communication, Emotional Regulation, and Transactional Support)は、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ個人の支援に特化した包括的なアプローチで、人々の「社会的コミュニケーション」と「情動調整」を改善することを目的としている。
アプローチの具体的なテーマは以下の3つ。
1、Social Communication(社会的コミュニケーション):言語および非言語のコミュニケーションスキルの向上。
2、Emotional Regulation(情動調整):自分自身の感情を理解し、適切に調整する能力の向上。
3、Transactional Support(環境および支援):支援者や環境が個人のニーズに応じて適応すること。
「ABAとの違いと両者の連携」
ABA(Applied Behavior Analysis、応用行動分析)は、行動を観察し、測定し、変更するための科学的なアプローチ。ABAはASDを持つ個人の行動改善に広く用いられている。
SCERTSモデルは、個人の感情とコミュニケーションに焦点を当て、自然な環境での学びを重視。一方ABAは、行動の変容を科学的に支援し、目標に向かって体系的に取り組む。
両者の異なる点として、SCERTSモデルは全体的な発達と支援に焦点を当て、子供が自然な文脈で学ぶことを重視。ABAは具体的な行動目標に対して細かくアプローチし、実験的な手法で介入の効果を評価。
(まとめ)
実際の教育や治療の現場では、SCERTSモデルとABAの手法を組み合わせることで、ASDを持つ個人に対する包括的な支援を提供することができる。例えば、ABAの行動介入技術を用いて具体的なスキルを教える一方で、SCERTSモデルのアプローチを用いて自然な社会的文脈でそれらのスキルを応用する方法で支援することが可能と考えている。
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